熱中症について
皆さま、日頃より日常診療においてご理解ご協力頂き、心より感謝申し上げます。
雨の日が多くなり梅雨入りも迫っているようで、これから少しずつ気温も上がり、湿度も高くなっていきます。この時期はまだ暑さになれておらず、熱中症が多くなると言われておりますので日頃から飲水を心がけ日頃から予防を意識し、くれぐれも注意して頂けると幸いです。
スポーツ団体の海外遠征でも同じような注意事項があり、気温の低い日本から高温多湿の東南アジアや中東、南米、アフリカといった地域に行くときに、選手のコンディションを保ち最高のパフォーマンスを発揮するために、早めに現地に入ったり、トレーニングの時間を調整したり、水分補給の指導をしたりして暑熱順化に努めることが重要になります。
暑さで発汗することなどで体重は減少しますが、体重の2%(体重50kgの方は1kg)減少してしまうと体温上昇、心拍数上昇、集中力の低下、スキルレベルなどパフォーマンスに大きな影響が出てくると言われています。体重の3%(体重50kgの方は1.5kg)減少すると食欲に影響が出たり、ボーっとしてはっきりしなかったり日常生活にも影響が出始め注意が必要です。サッカー代表選手やJリーグのクラブチームではトレーニング前後、ハーフタイムや試合後に体重測定を行い、体重減少の大きな選手に声かけし早めの対応を促します。1試合やりきることで体重は3-5kg減っている選手も少なくなく、メディカルスタッフは常に注意をして対応しています。
スポーツをしない方では、少し大変ですがご家庭や職場でまずは30分おきに、少し冷えた(15℃くらい)経口補水液やミネラル入り麦茶(ノンカフェイン)をコップ1杯ゆっくり摂るのを目安にするのもよいかと思います。
スポーツをする方は、練習や試合前から水分摂取を始め、ことあるごとに(15-30分おきに)少しずつ摂取する、飲みすぎないことが重要です。冷えすぎたものや一気に大量の飲水は控えるようご注意ください。
4月末にレモンガススタジアム平塚でJリーグの仕事をしてきましたが、その際も観客の方で2名ほど熱中症症状の方がおられました。
熱中症は命の危険性もありますので注意しすぎてもしすぎることはないと思われます。
皆さまに参考にして頂ければ幸いです。